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#6 サービス治外法権

今日は、中学の同窓会開催に向けての幹事会。恵と比米肇(ひめ はじめ)、藤団五郎(ふじ だんごろう)の三人がスターバックスに集まっていた。

 「しかし、比米よ、お前の名前、まずいよな?親何も知らなかったのかな?」

 「うるさいな、お前だって団子だか歌舞伎役者だかわからん名前だぞ。ははは。」

何でも言い合えるこの三人は、自宅が近いこともあって、幼い頃からの遊び仲間なのだ。

 「じゃあ、写真撮影してから立食パーティー、途中カラオケタイム、スピーチタイム

 という流れでいいかな?」

藤が全体の段取りを確認する。

 「だけど、ホテルって値引きしないよね。殿様商売じゃん。おめでたいことにつけいってんじゃないの?」

比米が吠える

 「冠婚葬祭ビジネスは売り手市場よね」恵がつなぐ。

 「俺この間、免許の更新に免許センターに行ってきたんだけど、本当、サービスのサの字無いね。まるで人が宅配便の倉庫で仕分けされる荷物みたいだったよ。感じ悪かったな。交通安全協会なんて、入って当たり前って顔して受付してるもんな。」

 藤が吠える

 「役所仕事だからね。あんなの民営化できないものなのかね?俺だったら、リムジン送迎、優良講習に藤原紀香、豪華なレストラン街にマッサージコーナー、ストレス解消のためのテストコース爆走OK、ポイントカードも発行してさ。」比米がつなぐ。

 「ポイントって5年待たないといけないじゃん。でもおもしろいね。でもJRだって、地下鉄だって民営化されてもたいしたサービス改善ないじゃん」藤がつなぐ。

 「あれは、公共機関の色合いが強いんだよ。運んでやっているという意識は民営化前から抜けてないもんな。俺たち路線選べないもんな。」

 比米に続いて恵が

 「千代田線ってひどいのよ。電車が遅れてたのよ。そしたらね、小田急線内の遅れにより、3分の遅れをもって運転しています、だって。まるで私のせいじじゃありません。小田急です、って言い方。おかしくない?」

 藤が引き取る。

 「そうだよな、電車って、遅れて申し訳ございませんって謝られても、まったく意味ないよな。謝るヒマあるなら遅れをなんとかせい!だよな。1分遅れたら100円還元するとか、具体的な形にして欲しいような。」

 「確かに。あと葬式もサービス関係ないもんな。」比米が引き取る。

 「焼香したあと、食事だされるよね。大抵、寿司とてんぷら、野菜の煮物でどんどん流れ作業だもんな。俺友達待ってたんだけど、もう片付けで煽られちゃってさ。早く帰って顔してんの、そこのババア。俺だって長居するべきとこじゃないことはわかってるさ。感じ悪かったな。あんなサービスしたら遺族に迷惑かかるよ。」

 「自分たちが早く帰りたいからじゃない?」恵が引き取る。

 「そうかもね。とにかく不快にさせるのだけは勘弁だよ。今度の同窓会は逆に最高の感激を皆に持って帰ってもらおうよな!」

 「よし、じゃ俺のアイデア聞いてくれる?」藤が得意そうに話し出す。

幹事会は遅くまで続いたのであった。

(つづく)

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